
シリーズNo.3 地場野菜
よつ葉50年の歴史の中で、日本でも世界でもいろんな出来事や事件がありました。そうした出来事に対して、よつ葉はこれまでどのように向き合ってきたのか。このシリーズでは、そのいくつかを取り上げて振り返ってみます。
思い出話ではなく、よつ葉の活動と考えの礎になっていることを。そして未来の指針としていくために。
地域農業を未来へつなぐための地場野菜の取り組み
よつ葉の「地場野菜」は、よつ葉の物流センターから比較的近い地域で、大阪府能勢町(北摂協同農場)、大阪府高槻市原地区(高槻生協)、京都府亀岡市(別院協同農場)、京都府南丹市日吉町(アグロス胡麻郷)の4地区から出荷されています。この4地区を緩やかに結ぶ組織として「摂丹百姓つなぎの会」があります。
いずれも中山間地と称される起伏が多く似通った気候風土を持つ農村ですが、日本の多くの農村と同様に過疎が進み、農業が徐々に衰退していました。そこで、地域丸ごとでよつ葉に農産物を出荷してもらい、地域農業の活性化につなげたいというのが「地場野菜」の取り組みです。
【「地場野菜」3つの特徴】
一つ目は、農家が農業を継続できる環境づくり。
野菜など農産物の価格は、需要と供給のバランスによって市場で決められ、農家が続けるために必要な価格は考慮されません。しかし、そうした価格決定の仕組みが農家の減少に歯止めがかからない1つの要因となっていることは、この間の「米騒動」が示している通りです。そこで「地場野菜」では、作付け前に価格と出荷量を相談して決定することにしました。農家は、1年間の栽培計画をたてることで収入の見通しが立つことになり、翌年の栽培につながると考えたからです。
二つ目は、農家が出荷した野菜を全量引き受けること。
農産物は、天候次第で豊作不作は左右されるものです。豊作の時に、「豊作貧乏」になるのではなく、そのリスクのいくらかをよつ葉が引き受けたいと考えました。といっても、4つの地域を合わせると200世帯以上の農家さんから、旬の時期に出荷のピークを迎える野菜の量は相当なものです。そこで考え出されたのが野菜大好き会員や配送センターのスタッフによる引き売りです。豊作の恵みを新鮮なうちに余すことなく食べてもらおうという、会員さんや配送スタッフも協同する取り組みなのです。
三つ目は、単に売り買いだけでない、お互いに支え合う関係を生み出すこと。 農産物の背景には、それを育む豊かな自然環境があり、種を蒔き育て収穫するまで、そして消費者(会員さん)の手元に届くまでには、たくさんの手間と時間が積み重ねられています。そうしたことを互いに理解するために、会員さんには地場の畑に足を運んでもらい、農家さんにも会員さんと交流するイベントに参加してもらう機会をつくってきました。お互いの距離を縮めていくことで、売り買いだけではない、お互いを支え合う関係が少しずつ生まれていくと考えています。
生産者とよつ葉と会員さんが、畑や交流会、そして食卓などのぬくもりのある様々な風景を共有することの大切さを教えてくれたのが「地場野菜」です。三者がお互いに協同し、育んでいくこの取り組みがはや25年を超え、未来へつないでいきたい、よつ葉のレガシーになっています。
(よつば農産 横井)
