2023年第135便_3
持続可能な農業を目指して!!
北摂協同農場ではよつ葉農産と共に作付け(前もって、必要な野菜の出荷数量と出荷時期を決めて作ってもらう事)をしている農家の圃場を実際に見せていただき作り方や生育状況を確認しに畑に出向きます。
今回、東能勢を中心に見せて頂いた中で吉村農園の圃場のプラスチックマルチを使わずフェアリーベッチというマメ科被覆植物と、エン麦など麦をそのサイドに植えて野菜などを栽培している畑を見学させて頂きました。
良いところは石油素材のマルチを使わず、CO₂を排出しない、草マルチにより窒素分などの肥料効果がある、畑土の流失が避けられる、など様々あります。しかしながら今まで経験してきた農業と大きく違ってくる作業や考え方などがあるそうです。そんな説明を伺う中、黒色のプラスチックマルチではなく、緑の草マルチの圃場で取り組んでいこうとしている吉村農園に感動しました。
吉村農園ではこのやり方ですべての作付けに取り組んでいきたい、この農法でできる生産活動を進めていきたい、と熱く語ってくださいました。自分たちもこの持続可能な農業、地球温暖化に少しでもストップをかけられるような生産活動をしていきたいと感じました。
6月9日株主総会を開催した折に、今期32期の北摂協同農場の事業計画のひとつに「地域生産者と共に持続可能な農業と地球温暖化防止について考える取り組み」を柱として活動していくことを承認して頂きました。
130名ほど登録して頂いている生産者の皆さんと一緒に取り組むことで大きな広がりが生まれることを思い描いています。
どの様にすればみんなで一緒に取り組めるかを、北摂協同農場、よつば農産、吉村農園の吉村さん、須美ふぁーむの今堀さん、のせすくの成田さんたちが中心となり話し合う場を持ちました。まずは実践している吉村農園によつ葉ホームデリバリー出荷のための作付け会議の集まりにて現状報告、取り組む意義をアピールして頂きました。第2弾として気候危機、地球温暖化、異常気象の深刻さを知り、「一農家としてできることがあるのでは?」という問題定義と「一緒にやりましょう!」のよびかけのために「To Which We Belong 君の根は。」の映画上映をすることになりました。そしてその場で賛同してくれる生産者の方々と、まずは『脱!プラスチックマルチに挑戦!!』の目標を置いて登録者と情報交換し皆と向上していきたいと考えています。これは北摂協同農場を通じてよつ葉へ出荷して頂いている生産者だけでなく能勢地区または近隣地域の生産者にもアピールしていこうと考えており、第3弾!、第4弾!と勉強会の輪を広げていきたいと日々意見交換をしています。皆さんも是非、地球温暖化、持続可能な生産活動などについて一緒に勉強し、自分にできる事を実践していきましょう。
(北摂協同農場 安原 貴美代)
わくわくが止まらない!!
吉村農園では数年前から脱プラスチックマルチに取り組んでいます。きっかけは汚れたプラスチックの輸出を禁止するバーゼル条約のニュースを聞いたことです。それまで毎年たくさんのマルチを使い捨てていましたが、それが中国など海外に廃棄されていたということを知りませんでした。他国を汚すことに加担していたことが嫌になりました。(現在は国内で焼却処分されているようですが、CO₂を排出することで未来を破壊しているという意味ではより罪深いかもしれません。)そこで2、3年はマルチをせずに裸地で作物を栽培しましたが、これでは表土流失がどうしても防げません。プラスチックか、表土流失か、究極の選択に頭を悩ませていたところ、昨年コロナ罹患中に何となく読んだゲイブ・ブラウンさんの『土を育てる』という本
にその解決策が書かれていました。プラスチックではなく被覆植物で地面を覆うのです。リジェネラティブ(環境再生型)と呼ばれるこの農業は、①被覆植物、②土をかき乱さない(省・不耕起)、③輪作・混作の3原則で土が飛躍的に良くなるとのことです。炭素を土中に隔離する働きもします。物は試し、早速さまざまな被覆植物を栽培に取り入れてみました。
結果、まだ1年目の感想ですがはっきり言って圧倒的に楽しいです。無機質なプラスチックマルチに比べて景観は良いし(ゴミの山を見なくてもいいし)、環境にええことをしている気持ち良さ。プラス、畑に明らかにクモ、ミミズ、蛙などの動物が増えて生態系が豊かになっていることが実感できます。こいつらがアブラムシなどの害虫の大発生を抑えてくれています。もちろん楽しいだけでは生活できないので、経営にどう落とし込んでいくかは問題ですが、それを考えるのもまた楽しいです。もうわくわくが止まりません!
(吉村農園 吉村 次郎)
コウキのつ・ぶ・や・き
私が北摂協同農場に入り3年目となりました。
様々な体験を活かし、実家の畑でも作物を栽培しています。
2年目の秋頃から、玉ねぎは、早生、中生、晩生の3種類を定植し、他は、赤じゃがいもを定植しました。
3年目の初夏頃には、アイコ、里芋、スイカ、カボチャを定植し、8月の終わり頃にキャベツを定植、9月の頭と中頃にブロッコリー、白菜を定植予定にしています。
野菜を定植し、どのように育てれば、上手に育ってくれるか、試しています。今年の秋ごろにも玉ねぎを定植予定しています。
北摂協同農場では、初夏からいま現在にかけて、草刈りや、畑の片付けに追われています。いま植えているキャベツ、ブロッコリーは、雨がここ最近少ないため、うまく成長できていないのが現状です。
草刈りが必要な雑草は、暑さの影響もあってかあまり伸びず、ある程度の高さになるとその成長を止めてしまっています。雑草がそうであるように、野菜などにもその影響は大きく関わってきます。毎日同じような暑さが続くので、体調にも気を遣い
ながら作業しています。
(北摂協同農場 加堂 康輝)
待ちわびた保養キャンプ開催
無事に怪我もなく楽しんで終えることのできた福島の子ども達の保養キャンプでした。
コロナの影響でここ数年、関西よつ葉保養キャンプを開催することができませんでした。そして感染予防のため外出・外泊の機会が少なくなってきているので、今回の親の元を離れての長距離の移動と数日間の宿泊は子どもたちにとって大きな不安になるのではないかと心配でした。しかし、いざ始まったら子どもたち同士楽しくおしゃべりをしており、とりあえずひと安心。農業体験やアスレチックなど楽しいイベントをたくさん用意して臨みました。
農業体験ではシイタケ、ブロッコリー等の収穫を手伝いました。みんなで手分けして畑の端から端まで籠一杯の野菜を収穫。北摂協同農場の方たちからも感謝の言葉をいただきました。次に冒険の森能勢では建物の3階ほどの高さのある木と木の間をロープや滑車を駆使して渡りました。迫力満点のアスレチックにみ
んな大盛り上がり。最後はそこよりもさらに高い木から、湖を越えた先まで約500メートル超えの大滑空。みんな見事にゴールまでたどり着くことができました。
その他にも海遊館までジンベイザメを見に行き、万博公園ではバーベキューをしました。春休みで人が多いため迷子にならないように我々スタッフがしっかり見守るようにしていましたが、子どもたち同士でもはぐれないように、特に年上の子どもたちが年下の子どもたちを見てくれていました。おかげで誰も迷子になることがありませんでした。
ホームシックになることなくけがも迷子もなく無事に楽しく終えることができました。次回は是非今回よりも参加人数を増やし、もっと多くの人に喜んでもらえるよう取り組んでいきたいと思います。
(能勢農場 井上 貴仁)