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よつ葉ホームデリバリー

2024年第139便₋1

 

2年を迎えた林業研修 

それぞれの思いとこれから

 

 
能勢農場が関西よつ葉連絡会各所からの林業研修を受け入れ始めて2年が経ちました。能勢農場とこどもどうぶつえんの間にある林を、地主の中井さんの協力のもとに毎月1回のペースで講師である森田さんよりチェーンソーの扱い方や伐採、それに係る危険な事など丁寧に教わっています。特に研修に来られた方には、チェーンソーの仕組みなどを教えたあとに最低1本は実際に切ってもらっています。
 
森田さんが毎回心掛けておられることとして、ただ木を切るだけでなく山に対して今までとは違った見方や考え方を持ち帰ってもらえるようにしています。そして地主の中井さんは切った後に能勢名産である「銀寄栗」(ぎんよせ)の苗木を昨年より植えています。山の木は切るだけではなく、その後に将来に渡って管理ができるようにすることも大事なことだと教えてもらいました。そんな感じでよつ葉からの研修を受け入れながら私自身も山に対しての見方や考え方を一緒に学んでいます。そして、中井さんと能勢農場、講師の森田さん、毎回研修を円滑に進めるために協力してくれている北摂ワーカーズの山本さん、木澤さんとで新たに「能勢里山愛好会」という団体を立ち上げました。これまで通り研修の受け入れはもちろん、地元の方々も受け入れていければと考えています。
 
能勢農場として林業をやっていくからには牛の放牧地を開拓していくことが最大の目標ではありますが、そのためには地元の方々にも協力していただかないと成り立ちません。このような団体を一緒に立ち上げられたことはうれしい限りであり、メンバーの方々にも協力してもらいながら地元の中で活動ができるようにしていきたいと思います。最後になりますが切った木は原木市場に出荷しています。木を切る時に少しでも高く買ってもらえるように切るということも今までにはなかったことであり、ユンボを使って切った木を処理するというようなこともやっていてこれも楽しい作業と感じており、毎月が楽しみであります。

(道下 慎一)

 
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能勢農場で山研修の講師をしている森田です。講師と言ってもただの林業従事者です。普段山奥で仕事をしていて人と関わらない日常ですが、学生時代の友である矢板氏(関西よつ葉連絡会事務局)とのつながりで縁あって能勢農場と関わりができ、山研修も2年目になります。
 
私のしている山仕事は木を伐採し山から搬出、市場に出荷した売り上げで生計を立てています。(農場の牛や北摂協同農場の野菜と同じですね)しかしながら山奥での生業故に山仕事がどのようなものか想像が出来ない人が多いのではないかと思います。ニュースでの山や森林の話題というと豪雨による土砂災害や害獣問題、花粉症や温暖化対策等そんなところでしょうか。町育ちの私ですが20年以上山仕事をしていると自分が過ごす日常にそんなに気に病むことはないのではないかと思う様になっています。山は長い年月をかけて今の形で居ます。場所や気候によって樹種が違ったり、同じ所で大きな樹と低い樹が共生していたりそれが完成形ではなく当たり前に変わっていく、それでいて山は変わらずそこにあります。山研修で実際に木を切る作業をしながらその人なりに山を認識して持って帰ってもらえたらいいなぁと思います。
 
欧米での自然に対する認識は“sauvage”意味は「野蛮な」「未開の」等です。もったいない気がします。山に入って山の日常を見て日々の日常が楽になればと思いながらこれからもできたらいいなぁと思います。その研修の先に何か楽しい事が山や自分たちで切った木を使ってできたり、牛が山を歩き回っていたりしたらと想像しているのです。今はよつ葉の産直の人が対象ですが誰が来ても問題ありません。実際何回かよつ葉と関係のない人が来ています。安全対策は出来る限りしていますので興味のある方は農場に一度連絡してみてください。

(森田 裕一)

 
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月に一度のチェンソー研修を受け始めて数年が経ちました。
 
自分自身にはまだまだ足りないところが多く、一人で立木を切る段階にはまだ至れていません。しかし、邪魔な枝の除去や木材の加工ならば十分にこなせるようになりました。その他、ユンボの操縦を教わり、切った後の枝の撤去までならばできるようにもなりました。そして更に今年は研修以外にもチェンソーの講習にも参加してきました。そこでは研修で学んだチェンソーの使い方の復習だけでなく、かかり木の対処方やターニングストラップ等のチェンソー以外の道具等について教わりました。
 
近年、強い台風が増えたように感じます。それらによって隣の敷地の木が倒れ、畜舎にもたれかかることがありました。幸いにも潰れることはありませんでしたが、次いつまた同じことが起こってもおかしくない状況は続いています。木を大量に植えたにも関わらずそれらの管理を放棄した結果だと考えられます。
 
今後自分達の事業を残していくためにはこの問題に向き合う必要があります。山の管理については放牧を活用すれば解消できますが、そのための環境は人の手で作る必要があります。
 
今の農場は自分の上のさらに上の世代の方たちが作り上げてきたものであり、自分たちはその中で働き、生活しています。これからは場所や環境は与えてもらうだけではなく、自分達で一から作り出す。そのための術をチェンソー研修を通じて身に着けていく。そして一から作り出すことの楽しさを具体化して、自分たちの次の世代の人たちにも引き継いでいくことが必要になってくると考えます。

(井上 貴仁)

 
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山研修の補助スタッフをしています、北摂ワーカーズの山本晋一郎です。山師である森田さんのサポートスタッフとして研修に関わっています。
 
僕自身、普段は植木仕事をメインにしていますが、そこでは扱わない道具や、庭とはまた違った自然に触れられる貴重な機会になっています。
 
毎月の作業の間や休憩中の雑談などを通して、植物や自然観についての変化や新たな気づきがあります。研修の度に考えが刷新されたり新たな疑問が浮上してきたりと、楽しく刺激的な時間を過ごしています。
 
具体的な林業の技術や知識、専門的な道具についても知らないことだらけで、枚挙にいとまがありません。チェンソーをはじめとして、最近は伐倒の補助道具としてのロープやワイヤーの構造、扱い方への理解を少しずつ進めようとしていますが、「わかったと思ったら全然わかってなかった…」の繰り返しで、シンプルな道具が秘めた奥深さを感じつつ、実際に使いこなすことに苦戦しているところです。
 
また、普段出会わない研修生の方の話を伺えることも、この研修の大きな魅力の1つです。山というシチュエーションもあってか、肩肘張らない心持ちで話ができるような気がしています。みんながチャレンジする立場で臨めることも心地よさの要因なのかもと、この文章を書きながら今までの研修を振り返っています。
 
危険がつきものの山仕事ではありますが、作業中の緊張感と休憩中の風通しの良さが良いギャップになっていて、毎度なんとも言えない達成感があります。
 
今まで出会った方も、これから出会う方も、またこの研修の場でお会いできるのを楽しみにしています。スタッフとして、さらに研鑽していきたいと思っていますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

(山本 晋一郎)

 
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こんにちは 能勢農場の近所で畑、田んぼをしている中井祐介です。ご縁があって能勢農場横の山林で毎月一回の研修に参加させてもらっています。初め、山の作業は慣れないことが多くありましたが、森田さんに色々な事を教わり、実践していく中で、チェンソーを使えるようになったり、1人で木を伐り倒せるようになったり、出来る事が増えていく事に楽しさを感じています。また、山の作業は畑の作業に通じる事があり、心構えや体の動かし方なども日頃の作業に取り入れさせてもらっています。
 
山は山だけでなく、畑も畑だけでなく、山と畑は繋がって作用しあっていると感じています。研修が始まった2年前はスギ、ヒノキ、広葉樹が茂っていましたが、今はかなり見晴らしが良くなっています。これからはクリを植樹したり、軽トラが入れる道を作ったり、景色が変わっていくのがとても楽しくワクワクしています。山の研修を通して経験した事、人とのつながりを大切にして、これからも引き続き参加させてもらいたいと思います。

(中井 祐介)