2024年140便₋4
研修参加報告
能勢農場・ハム工場・北摂協同農場・食肉センター・研修レポート
ひこばえの渡辺です。今回10月29日(火)~10月31日(木)の3日間で能勢農場~北摂共同農場~ハム工場~能勢食肉センターに業務研修に伺わせていただきました。
3日間の農場研修を終え、思うことは本当に命そのものと向き合う仕事であるということ。綿密で丁寧な牛の世話から、牛の繁殖、牛の屠殺、食肉加工、農場では作物の栽培から各農家との繋がり。人と人、人と動物、多くの命があの場所で育まれ、そして私たちへ還ってくる。ライフという紙面だけでは決して見えない部分に直に触れたことは本当に貴重な経験だったし、勉強になりました。
農場で体験したことはどれもとても面白く(屠場での屠殺は衝撃的ではありましたが)、指導、説明してくださった農場・道下さんはじめ、北摂・安原さん、ハム工場・東山さん、食肉センター・井上さん、他みんな笑顔で楽しそうに働かれていたことが印象的でした。自然と動物が相手の仕事、時には上手くいかなくて大変なこともあると思います。それでもああやって共存して皆楽しそうに働けていることが心からうらやましく思えました。
今回は研修という形で訪れましたが、是非また訪ねて牛の世話や林業研修、ハム工場、食肉センター、北摂協同農場の仕事に触れたいと強く思います。もっとそれぞれの場所でのエピソードを詳しく書きたいのですが、そうすると文字枠がいくらあっても足りないです。この研修では沢山の経験と思い出を作らせてもらいました。3日間本当にありがとうございました。
(ひこばえ 渡辺 圭祐)
丹波協同農場から
丹波協同農場の作業を引き継ぐ、
そして…
(株)丹波協同農場が新体制となって動き出してから1年を迎えました。振り返ってみればひたすら夢中で駆け抜けた、あっという間の1年であったと思います。
例年、夏前に小麦の刈り取りから大豆の播種を行い、夏の草との戦いを経て冬の大豆収穫、すかさず小麦の播種をして借り受け圃場の農家さんへの挨拶回りというスケジュールが基本でした。しかし今年は、飼料稲という新たな農作物に着手する事にしたのです。
今まで本格的な稲作をした事がないので当然のことですが、我々だけでは何からどう手を付けたらいいのかも分かりませんし、管理の仕方もよく知らないのです。そのため地元古河の農家さんに協力を求め、田植えや圃場の管理、刈り入れなどで手を貸してもらう形で取り組んでいます。この飼料稲は茎と実を丸ごと発酵させてから、牛に与える飼料として活用します。事業として毎年回収をしている、稲わらに次ぐ自給飼料のもうひとつの柱となりそうです。
大豆も今年、新体制となってからは初の挑戦となります。圃場の耕起や刈り取りなどを近くで見ていて大体分かったつもりでいましたが、実際にやってみると想像をはるかに上回る苦労があるのを身に染みて知らされました。どのタイミングでどのように草取りに入るべきか、何となく知ってはいましたが、それが何故なのかといった根拠などについて理解が足りていなかったと反省するばかりです。とはいえ、よつ葉のみんなに除草作業で助けてもらったおかげで、どうにか大豆畑として格好がつきました。この場で改めてお礼申し上げます。
これらの他にも、丹波協同農場にしかできない新たな事業が動き出しています。2025年も丹波協同農場をどうぞよろしくお願いします。
(能勢農場 阿部 真澄)
静かな脅威
能勢町議 難波希美子
事務所の傍にアメリカオニアザミを見つけたのはもう3年ほど前になります。葉や茎、総苞(花びらの下の膨らんだ部分)に棘があり、もう全身がトゲトゲのヨーロッパ産のアザミです。この棘がまた鋭く素手では危険で厚い皮手袋でなければ触れないのです。その時は事務所近辺では絶滅させたと思っていましたが、今年また生えてきました。「生態系被害防止外来種」に指定されていて、文字通り他の生態系に影響があります。
5月から7月に、赤味がかった黄色いコスモスの様な花もよく街角で目にするかと思います。オオキンケイギクです。「特定外来生物」に指定され,故意に拡散させること(栽培・保管・運搬・販売・野外へ放つ等)は原則禁止されており、違反すると罰則が科せられる場合があります。可愛い花ですが、日本の本来の植生に重大な悪影響を与える恐れがあります。
園芸用の物が野に出て増えてきている紫の可愛い花、ツルニチニチソウ。地下で根を広げドンドン地表を侵食していきます。「重点対策外来種」です。ツルギキョウという人もいますが、在来種のツルギキョウは絶滅危惧種で、花は全く違います。
「特定外来生物」に指定されてはいませんが、6月ごろに道端に咲いている赤オレンジのナガミヒナゲシ。これも繁殖力が強く、繁茂・群生することにより在来植物に影響を及ぼします。
以上は、近年目立った外来植物の一部です。里山と言われている能勢町にもたくさんの外来生物が生えています。在来生物を見つけることの方が大変なぐらいです。外来生物は生物多様性を劣化させます。植物の種類が増えていいやん! という人もいますが、その土地の固有の植物はその土地の固有の生態系の中に組み込まれており、生態系そのものの劣化に繋がります。
今年9月に奄美大島のマングース絶滅宣言がありました。動かない植物の絶滅の方が簡単だと思うのですが、住民の意識が大切なポイントですね。