かわさき屋
宮崎県は、切り干し大根の生産シェア90%以上を占める、大生産地です。冬に吹いてくる「霧島おろし」と言われる、乾いた西風で乾燥させた切り干し大根は、風味・香りともに良質で、全国のお客さまから好評をいただいています。切り干し大根の発祥は、江戸時代に尾張国で、保存食として作られていたと言われています。明治に入って宮崎にも生産技術が導入され、今では宮崎の名物として全国に知られています。現在、宮崎県で全国の9割強、年間2000トン程度生産されており、天日干しの切り干し大根が全国の消費者に届けられています。
かわさき屋は、地元宮崎県の良質な産品を、全国にご紹介する会社として2012年に創業しました。切り干し大根を専門に扱うところから事業をスタートし、生産者と二人三脚で事業展開しています。生産者と消費者を繋げ、お客さまにより良い商品を届けるとともに、生産者の皆さんに、安心して持続的に切り干し大根を作っていただける環境を作るよう心掛けています。作り手と消費者を繋げることで、作り手を元気にしていき、そのことが、地域が元気になることにつながる。そういう想いから、私たちは地域商社として事業に取り組んでいます。
切り干し大根の生産は、非常に重労働です。冬の寒い時期に大根を収穫したり洗ったりと、作業が大変なうえ、夜間にでも雨が降ったら防水対策をしないといけないので、夜もゆっくり眠れない日が続きます。そういったこともあり、近年、生産者が減少しており、徐々にですが生産量も減っています。現在、かわさき屋では50軒以上の生産者との取引がありますが、生産者の皆さんとコミュニケーションを図るなかで、やはり、生産意欲を維持することの重要性を感じます。買い取り価格の維持や、お客さまからの声を届けるなど、生産者の意欲を高めるための取り組みに力を入れています。
一方で、切り干し大根をより身近に楽しんでいただくために、新たな食べ方のご提案も進めています。レシピ掲載サイトを通じて、和洋中さまざまなレシピを案内しています。掲載されているすべてのレシピは、社員はじめかわさき屋のメンバーで作ったものです。普段の調理体験から、作りやすく美味しいレシピがそろっています。是非一度、私たちのレシピをご覧になってください。
切り干し大根は、栄養価も高く、さまざまな用途でお使いいただける保存食です。この伝統食材を守り続け、安定してお届けできるよう、生産者とともに取り組んでいきたいと思います。
(かわさき屋 川﨑勇樹)
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