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トリチウム汚染水の何が問題か?

政府は福島第一原発事故後、溜まり続けてきたトリチウム汚染水の放出を行おうとしています。この汚染水の何が問題なのでしょうか、また私たちの健康にどのような影響があるのでしょうか。
トリチウムは、日本語で三重水素と呼ばれ、水素の放射性同位体です。水素と化学的性質が同じことから、トリチウム水は水と同じ性質になり、生体内に入ってきた際にも水と同じ役割を果たします。生体は脂肪や染色体など、ほとんどが水素、炭素、酸素などで構成されており、トリチウムはその水素と置き換わりやすいのです。この置き換わったトリチウムを「有機結合型トリチウム(OBT)」と言います。
水素と置き換わると細胞内にとどまり続け、そこで放射線を出し続け、その影響は極めて大きくなります。しかもこの結合はDNAなど染色体を構成するもので起きやすいのです。そしてトリチウムは、放射線を出し続けヘリウムに変わります。それがDNAで起きれば、その部分で切断が起き遺伝子が破壊されます。
福島第一原発に溜まりに溜まっている汚染水には、周囲の環境から大量のプランクトンや微生物が入り込み、繁殖しています。トリチウムと生物が長い時間共存している環境は初めての経験です。生物内に取り込まれたトリチウムで相次いでOBTが起き、その生物が大量に生態系に放出され、魚介類や藻などに取り込まれ濃縮され、さらに私たちの食卓に登場する危険性があります。そして私たちの体内に入り込み遺伝子破壊し健康障害を引き起こす可能性があるのです。

天笠啓祐さん

環境・食品ジャーナリスト。市民バイオテクノロジー情報室代表。「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」代表。日本消費者連盟顧問。