国内製造表示と食の安全
ほとんどの食パンや菓子パンの原料の原産地表示を見ると、「小麦粉(国内製造)」と書かれています。これはいったい何を意味するのかについて、東京の原宿と阿佐ヶ谷で街頭調査を行いました。ある大手パンメーカーの食パンの表示を拡大コピーして通りがかりの人に見てもらい、原料の産地を、①国産、②海外産、③生産地は分からない、の3択で当ててもらったのです。その結果、約3分の1の人が国産と間違えました。「小麦は自給率が低いから海外産だよね」といって海外産に印をつけた人も3分の1いました。正解は「③生産地は分からない」ですが、3分の1しかいませんでした。
パンよりも分かり難いのが、食用油です。ほとんどのナタネ油の表示で、「名称・ナタネ油、原材料名・ナタネ油(国内製造)」とあります。本来ならば例えば、「名称・ナタネ油、原材料名・ナタネ(カナダ)」と表示すべきです。ナタネを輸入して国内で製造しているケースがほとんどですから。国産ナタネを用いて食用油を作っているメーカーはすべて、「ナタネ(北海道産)」などと原産地を表示しています。
この国内製造表示は、食の安全に直結します。米国産・カナダ産小麦は除草剤グリホサート汚染がひどく、国産はほとんど農薬で汚染されていません。またカナダ産ナタネは、間違いなく遺伝子組み換えです。それらの点を消費者に隠しているとしか思えません。