子どものからだの中の農薬汚染
子どもたちを対象に、ネオニコチノイド系殺虫剤の体内汚染調査が行われました。取り組んだのは、デトックス・プロジェクト・ジャパンという市民団体です。この殺虫剤は、現在、もっとも多く使われている農薬のひとつで、強い神経毒性を持っています。健康への影響としては、アレルギーや発達障害との関係が疑われています。また、ミツバチの群れを崩壊させているとして、世界中で規制が進んでいますが、日本ではむしろ残留基準値を緩和させており、使用量は増えています。
これまでは大人を中心に体内汚染調査を行い、検出率は95%に達していました。今回は学校給食を食べている小学生(1~6年生)50人で、全員の尿から検出されました。予想されたこととはいえ、衝撃的でした。しかも50人中38人が、日頃から有機や無農薬の農産物を取り入れているなど、健康に気を付けている家庭でした。一般の家庭に比べて検出量は少なく、すぐに大きな影響が出るものではありませんが、とにかく全員から検出されたことには驚きました。
健康障害をもたらしている化学物質は、ネオニコチノイド系殺虫剤だけではありません。除草剤グリホサートなどさまざまな農薬、PFAS、マイクロプラスチックなどの化学物質等多種類あり、その複合的な影響が懸念されます。日ごろから食事に気を付けていても家庭での努力だけでは限界があり、「学校給食の有機化」が必要です。