進む“魚の改造”
いまヨーロッパでは、食品添加物の安全性の見直しが進んでいます。最初に人工甘味料のコホート(大規模)調査が行われ、従来考えているよりはるかに微量で健康に被害が及ぶことが示されました。調査されたのはアスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKの3種類の人工甘味料です。コカ・コーラゼロなどダイエット飲料の多くに、この3種類の人工甘味料が用いられています。
これらの人工甘味料は砂糖と異なり、摂取しても血糖値は上がらず肥満にならないとされ、健康ブームに乗って使用量を増やしてきました。しかし、この間行われたコホート調査で、ごく微量でも長期的に摂取すると、死亡率、肥満、糖尿病、心血管疾患、腎臓病、膀胱がんなどが増加するということが示されたのです。そのためWHO(世界保健機関)は昨年5月に「人工甘味料を推奨しない」とするガイドラインを発表しています。
今回の調査で示された健康への影響は広範囲で、認知症のリスクを高めるという研究、腸内細菌のバランスを崩し生活習慣病になりやすくなるという研究もあり、その影響は広範囲です。しかも大事なことは、その影響は従来考えていたよりもごく微量で起きていることです。これまで食品添加物に関しては、ADI(一日摂取許容量)以下なら問題ないとされていましたが、それよりもはるかに微量で悪影響が出るのです。人工甘味料は百害あって一利なしです。