「精密発酵チョコレート」を機内食で提供
日本航空は9月17日、東京・サンフランシスコ間の国際便の一部で、精密発酵製品の甘味たんぱく質のブラゼインを用いたチョコレートの提供を開始すると発表しました。ブラゼインは砂糖の500・2000倍の甘さを持つたんぱく質です。この精密発酵技術は、遺伝子組み換えなどで細菌が特定の成分のみを生産するように遺伝子を改造して、その細菌を水や栄養素、糖などを加えた発酵タンクで増殖させて、生産するものです。
そのため、このチョコレートはフードテックと呼ばれる、代替肉、昆虫食、培養肉などと同じ、新しい技術を用いた食品群にあたります。フードテックは食糧問題を技術で解決することが目的で推進されています。米国ではすでにパーフェクトデイ社がこの技術で乳たんぱくを製造しており、日本でも食品の開発を進めている企業があります。
日本航空が提携した、このブラゼインを製造し販売しているのは、米国のオオブリ社です。同社はこのチョコレートを米国内で2022年から発売していますが、今回は初めての海外展開だとしています。
この食品は遺伝子組み換え技術が使われているため、日本国内で販売するためには、安全審査を経る必要があります。しかし国際便で、しかも米国発の便で提供し、日本発の便で提供しないため、日本の規制を免れています。このような規制を免れる方法があるのだということを思い知らされました。なにより、はたしてこのようなものをチョコレートといえるのでしょうか。