ジャガイモをめぐる攻防
日本のポテトチップなどのジャガイモを使ったお菓子が、危険な米国産のジャガイモに席巻される可能性が出てきました。もともとジャガイモは米国から日本に輸出できませんでした。その理由は、米国に広くいるシストセンチュウが日本に入るのを恐れたためでした。
それが日米貿易交渉で問題になり、2006年から米国内で流行していない地域からの輸入が、ポテトチップの製造目的に限定して始まりました。しかし米国産ジャガイモを日本に輸出する際には、日持ちさせるためにまわりに農薬を塗る必要がありました。ポストハーベスト農薬です。日本では、ジャガイモに農薬を塗ることは認められていません。そのためこの農薬を食品添加物として扱うという異例の扱いで使用が認められたのです。こうして米国産ジャガイモに塗る農薬として、2011年にはフルジオキソニルが、2020年にはジフェノコナゾールが、認められ使用されてきました。
今回、トランプ政権は新たな要求として、食品添加物として扱うと表示義務が生じるため、それが貿易障壁に当たるとして、その撤廃を求めてきています。また、あらゆる地域からの輸入を求めています。ジャガイモはほんの一例です。BSEにより行われてきた米国産牛肉への規制についても緩和を求めるなど要求は多岐にわたり、日本政府も自動車の代償として米国政府の要求を飲もうとしています。このままでは日本の食卓が危険な米国産食品に席巻される可能性があります。