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肥料をどうするか

日本の化学肥料の自給率はわずか1%で、しかも輸入先が問題でした。肥料の3大要素はチッソ、リン酸、カリですが、窒素の原料の尿素は、その37%を中国に依存していました。これが2021年10月からほぼ全面輸入停止状態になりました。リン酸の原料のリン酸アンモニウムも90%を中国に依存していましたが、これも全面輸入停止状態になりました。カリの原料は塩化カリで、その26%をロシアとベラルーシに依存していましたが、これも全面輸入停止となりました。その結果、国内で販売する肥料代が高騰し、コメ代の価格高騰などにつながってきました。
 
 ではその肥料をどうするか、農水省は新たな輸入先を探すとともに、国産肥料の増産を図ろうとしています。その一環として、下水汚泥の肥料化を打ち出しました。しかし、工場や家庭の下水などが原料となる下水汚泥は、有害金属、プラスチックやその添加剤、洗剤など、さまざまな汚染物質が入り込み、土壌を汚染し、食の安全を脅かします。汚染物質は微生物に影響し、土壌を貧困化するなどの影響も起きます。しかし、千葉県木更津市などいくつかの自治体が、すでに取り組むことを表明しています。
 
 いま農薬企業が熱心に開発を進めているのが、農薬と肥料の中間に位置する「バイオスティミュラント」です。作物を強くするために土壌や作物に散布する化学物質です。しかし、これも安全性に懸念があります。国や企業からは、無農薬や有機の作物を増やそうという方向は見えてきません。