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よつ葉ホームデリバリー

2023年10月号(150号)-4

 

「Minamiこども教室」ユース・キャンプ報告

Minamiこども教室実行委員長 原めぐみ

 

大阪市中央区で活動する「Minami こども教室」は、8 月22 日、23 日に関西よつ葉連絡会からの支援を受け、キャンプを開催しました。「Minami こども教室」は2013 年から外国につながる子どもたちを対象にした学習支援と、その家族への生活支援を行っています。活動地域は西日本最大の繁華街ミナミに隣接しており、決して子どもたちが安心して遊べる環境とは言えません。親は飲食店や宿泊施設などで働いていますが、ひとり親家庭も多く、生活は不安定です。

コロナ禍を受け、経済的に逼迫(ひっぱく)した家庭がさらに増加したため、フードパントリーを開催するようになりました。2021 年度に実施した生活相談会の際に、お米の提供をお願いしたことから、関西よつ葉連絡会との協力関係が始まりました。

「Minami こども教室」にとって、宿泊を伴うキャンプは初挑戦だったので、保養キャンプの実績があるよつ葉スタッフの方々に、企画段階から助言をいただき心強かったです。結果、未就学児1 名、小学生16 名、中学生15 名、高校生7 名、卒業生4 名、引率者14 名の総勢57 名が参加しました。うち中高生19 人は一里松キャンプ場に宿泊し、23 日に能勢農場にも訪問しました。川遊びや農場での動物との触れ合いのなかで、子どもたちはのびのびと遊びまわりました。よつ葉のご飯はどれもおいしく、大人も子どももかじりついていました。中高生の感想文には、「いい思い出になっ
たし、たくさんの人と知り合えてよかった」「すごくすてきなキャンプになりました」とあり、課外活動の実施の意義を再確認することができました。

 

 

 

 

 

 

人も自然の一部ということ②

生口島ごちそうの森 長光祥子

 

狩猟免許を取ってはや12 年。年間15 頭くらいを捕っている。さばくのは50 頭くらいかな。なぜ猟師に? 今回はその辺りを少しお話します。

元々、生産現場への憧れが強く、学生時代から農園に住み込みで働かせてもらったり、よつ葉で働いていたときにいろんな生産者の方の話を聞かせてもらったりするなか、憧れが募っていきました。自然に寄り添って暮らすことがとてもクリエイティブで人間本来の活動に感じました。そして研修という機会をいただき、当時の瀬戸田農場でしばらく働かせてもらうことになりました。

山の上にポツンとある小屋での生活。月があんなに明るくて、ないとあんなに暗いものだと知りませんでした。憧れの自然を目の前に感じたのは、“ 自由” と“ 恐怖”。全て自分次第。知識がないとのまれる。そんな紙一重の感覚。本を見ても分からないことだらけ。スマホもない時代、誰に聞いていいのかも分かりません。

そんななか、毎日の仕事である牛の世話をしているとき、楽しそうに歩く人たちが横切りました。聞くと猟師だという。「この人たちだ!! この人たちについていったら間違いない!」そう直感的に思い、弟子入りさせてもらうことに。初めての山は刺激的過ぎました。イノシシを捕るときの緊張感だけでなく、目の前の雑草が、知るだけで薬草に変わり、知らないと目にも止まらなかったものが目に止まるようになり、ご飯のおかずになります。私の欲しかった情報が全てあったのです。生きるってこういうことだ!! 獲れたイノシシはびっくりするほどおいしく、より私をとりこにしました。

農場には夜な夜な、イノシシが牛の残りの餌を食べに来るので追い払う、ということをしていましたが、捕まえたいと思うようになりました。そしてこの命の対比(牛とイノシシの価値の違い)にいろいろと思うようになったのです。

 

 

 

編集委員からの一言

 

今月号1面で報告のあった水産生産者意見交換会に参加しました。海を取り巻く状況が本当に厳しいということもあり、乗り越えていくためにどうお互い協力し合っていけるか? 具体的な意見や提案が多く出されました。そのなかの一つに養殖魚の活用があります。

本当であれば自然の恵みである魚を持続可能なかたちで捕り、食べていくのが理想ですが、人間が自ら引き起こした事態に対応するためには、選択肢の一つとして考えていかなければならないのでしょう。とはいえ、日本近海だけでも3000を超える魚種が生息していて、そのうち一般的に
食べられるものだけで約500種類あるのに、養殖される数えるほどの魚種しか口にできなくなる未来は悲しいですよね。

皆さんはどんな魚がお好きですか? 個人的には刺身ならオコゼやコチ、アコウ(キジハタ)あたりが上位にきます。メイタなどカレイ類も外せないなぁ…。旬の時期のメバル類は刺身にしても煮付けにしてもおいしいし、白身好きとはいえアジは避けて通れません。そんな海からの恵みを未来の世代にも残していくための取り組みも、同時に考えていかなければならないと思います。

(関西よつ葉連絡会事務局 松原竜生)