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よつ葉ホームデリバリー

2023年11月号(151号)-2

 

 

「山に入ってもらう」がコンセプト

よつ葉さんには「焼畑温海かぶ」を取り扱っていただいていますが、私たちは林業の団体です。拠点である温海地域は面積でいうと大阪市より少し大きく、その9割が森林です。半分以上が民有林、つまり個人の所有者がいる森なのですが、近年は所有者の方々の〝森離れ〟が深刻な問題となっています。
森を育むには50年、60年といった長い年月が必要です。自分の代では利益を得られないため、多くの所有者さんが山に入るのをやめてしまいます。そしてひとたび山に入らなくなると、隣の所有者との境界が分からなくなり、トラブルを避けてさらに山に入らなくなります。人と森の間に隔たりを生み出す〝森離れ〟を打破するために、温海町森林組合では「山に入ってもらおう」をコンセプトに2つの事業を展開しています。
小学校への出前授業として1、2、4年生は登山、5年生は森林整備、そして3年生は焼畑によるかぶづくりを行います。子どもたちからは「何でかぶは地面を焼かないとつくれないの?」といった質問が飛び出してくることも。作業を通して江戸時代からこの地域で受け継がれてきた焼畑の意義を伝えています。
また大人向けのチェーンソー講習として、所有している山の手入れを自分でできる人を増やすため、年に1度、チェーンソーの使い方やメンテナンスについての講習をしています。今年で13年目になり、最近は秋田や宮城といった近県からの参加者も増えてきました。山に入って木を伐ったり、山の恵みを感じてもらうことで、自分の所有する山に興味を持ってほしい。そして時折、手入れをしてもらいたい。そんな目標を持って、日々活動しています。      

(松本典子)

■温海町森林組合(山形県鶴岡町)■

400年前からこの地域では、伐採→焼き畑→再造林というサイクルで森の保全と営農が行われてきました。森林組合では毎年8月に山を焼き、その後、種を蒔いて育てています。『焼畑温海かぶ』は、パリッとした食感と爽やかな辛味で、煮るとトロリと柔らかくなるのが魅力です。

 

 

 

人と地球に優しい未来を

私たちはエシカルチーズケーキ専門店です。「seed」の創業と同時に双子の娘の母になりました。その一人がアトピー体質だと分かってから食べものの原材料がとても気になって、表示を読むと見たことのない食品がズラリ。「こんなの食べさせて大丈夫?」そのとき思い出したことばは「人は食べたものでできている」。大切な家族の健康を守りたい。いつしかそれは私たちのミッションになりました。子どもも安心して食べられる心も身体も喜ぶお菓子をつくろう。自然由来の国産素材を使って地球環境にもいいお菓子をつくり、豊かな地球を未来の子どもたちに残したい。今までもこれからも私たちはエシカルスイーツを通して人と地球に優しい未来をつくります。
私たちはサステナビリティの実現に向け、国内生産されたフルーツで出荷できず廃棄されてしまう規格外の果物(エシカルフルーツ)を使用した商品を開発し、全国のオーガニックスーパーやオーガニック宅配会社にアップサイクルして販売をしています。また商品パッケージも再生紙を利用した、リユースできるギフトパッケージ、エコバッグなどを取り入れプラスチックフリーを目指しています。少しでも地球環境に配慮してごみを減らす努力をしています。
女性が活躍し輝く会社づくりとして、 一人ひとりの家庭環境にも寄り添い、出産育児、介護など仕事と家庭の両立ができるように配慮しています。結婚、出産後も復帰できる働き方を相談しながら活躍できる環境をつくっています。子どもを同伴できる事務所の設置、在宅勤務、Web会議の参加など、工夫を凝らし女性が働きやすい環境づくりを行っています。           

(南 美春)

Cheesecake lab seed(大阪府泉南郡田尻町)■

関西国際空港の近くに位置する吉見本店、だんじりの町でもある小さめの東岸和田店と、南大阪に店舗を構える、国産素材にこだわったエシカルチーズケーキ専門店。子どもも安心して食べられて、心も身体も喜ぶように。そして、地球環境にもなるべく負荷をかけないお菓子づくりをしている。

 

 

 

ちょっと寄ってみ。

料理を提供する立場でできること

宇(のき)

 

6年前、阪急茨木市駅近くに7席程の小さなお店をオープンしました。お店をオープンするきっかけは、2011年の東日本大震災でした。この近くにある八百屋さんが、有機野菜を販売しており、店頭で目にした「六ヶ所村ラプソディー」のポスターを元にいろいろとお話しさせていただくことになりました。
震災後、静岡の茶葉農園さんが放射能汚染した茶葉を焼かなければいけなくなったこと、何百年もかけて育てた茶葉や先祖代々から受け継がれてきた農地や、土地なども一瞬でなくなってしまったこと、風評被害などのお話も聞き、苦労している農家さんを助けたい思いでお店をオープンしました。
大型スーパーから購入することはあまりせず、八百屋さんから購入している理由は、その時々の季節感や新聞紙に包まれていたり、目を見てお話ができたりと大型スーパーにはない人とひととの温かさがあるからです。料理を提供する立場で自分に何かできることがあるのではないかと思い、お客さまへは季節の野菜のおいしさや美しさをお伝えしております。
今ではいろいろなマルシェやマーケットに参加する機会をいただいております。マーケットでは在来種を大切に残そうと頑張っている農家さんや過疎化の街に移住し、みかん農家をしている若いご夫婦なども参加されています。お店にお越しになるお客さまのほとんどが「癒される」とおっしゃってくださいます。それは丁寧に育てられた野菜や果物には、人を癒す力があるからだと信じています。 これからもお客さまへ生産者の方々の温もりや優しさを、そして八百屋さんからの深い愛をお伝えできればなぁと思います。
今後の活動は一世代下の若者たちのお手伝いを、料理を通じて一緒に参加できればなぁと思っています。ただでさえ大変な時代にコロナ禍で大切な思春期を終えた子どもたちは、私たちよりしっかりと未来を生きようとしていろいろと考えています。私たち大人ができることは、その芽をつぶさず大切に育てることができる道をつくることです。これからが楽しみです。  

                        (淀川産直会員 加藤あつみ)


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