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よつ葉ホームデリバリー

2024年1月号(153号)-4

 

 

カナリアの仲間とともに

 

化学物質過敏症を発症して6年がたちます。近隣では2017年頃から、屋外での喫煙や野焼きの際に消臭スプレーをまく人が急増、その成分を吸い込むと鼻血が出るようになったのが始まりです。その後、柔軟剤や合成洗剤・シャンプー・車の芳香剤など、近隣で使われる日用品(香害製品と呼ばれるもの)に次々と反応するようになりました。頭痛、吐き気、目や喉の痛み、皮膚の炎症などの症状も増えてきました。夕方から夜半の、入浴と野焼きが重なる時間帯が特に辛いです。ひどいときは意識が朦朧(もうろう)とします。持病があり、あまり歩けず運転もできないため、一人のときは逃げ出せず、ひたすら耐えるしかありません。
香害製品を使ったことがないので、最初は知識がなく途方に暮れました。夫婦で情報を探すうちたどり着いたSNSで、多くの仲間と出会い、情報交換や啓発チラシの共有をするようになったのが大きな救いです。近隣でチラシを配りお願いに回っても、ほとんど解決せず落ち込みますが、同様の活動をしている人が全国にいることに励まされます。
2022年にはカナリア・ネットワーク全国(CAN)に入会しました。CANは、香害被害者同士のつながりから生まれた、香害に苦しむ人と化学物質過敏症患者の全国組織です。環境や医療などさまざまな分野の専門家が賛同人になってくださっています。昨年は柔軟剤の移香に関する実験が実現、オンラインで行われた結果報告会に参加しました。メーカーに向けてマイクロカプセル使用中止を求める署名にも取り組みました。
香害は空気、水、土を汚染する公害です。マイクロプラスチック汚染の原因のひとつでもあります。自覚症状がなくても誰もが身体に影響を受けています。ぜひ多くの方に関心を持っていただきたいです。

(西京都産直会員 佐久間聡子)

 

奈良産直会員の小出佳織さんの絵

 

*1面掲載の試食即売会「よつ葉マルシェSpecial」会場で、化学物質過敏症を広める展示(奈良の会員さんで化学物質過敏症当事者の小出佳織さんの作品など)をします。会場参加の際には、化学物質過敏症を誘発するような香料を控えるなどの配慮をお願いいたします。

 

 

 

上関中間貯蔵施設について

祝島加工生産グループ 山戸 孝(上関町議会議員)

 

昨年11月には「上関町中間貯蔵施設建設中止を求める署名」のご協力を会員さんにお願いしました。ご協力ありがとうございました。(下記に報告)よつ葉ではびわ茶を扱っている祝島加工生産グループの山戸 孝さんにその後の上関町の動きを報告してもらいました。
 

上関町における使用済み核燃料の中間貯蔵施設の計画は、8月2日の中国電力による町への申し入れにより表面化しました。中間貯蔵施設を建設するためには、建設を決める前に必要な適地調査の容認の可否が地元自治体にはまず問われるのですが、上関町長は住民への説明会なども開催しないまま、8月18日の臨時会でそれを判断するという性急さでこの計画を進めようとしてきました。私は議員として計画に反対することを明確にした上で、賛否以前の問題として「住民に情報提供もないまま、判断してしまっては冷静な議論ができなくなる」と主張し、判断の保留と住民への情報提供および開かれた議論の場を設置することを求めました。しかし町長は「調査と建設は別」、「議論を長引かせると住民の分断が生まれる」として、その場で調査容認の判断をしました。申し入れからわずか16日後のことでした。
その後、一気呵成に建設に向けて事態は突き進むかと危惧されましたが、状況は停滞しました。現在、中国電力は調査準備のための予定地の樹木伐採すらできていません。周辺自治体から大きな反発があったためです。中国電力に説明を求める声や反発する声は大きく、また説明や相談もないまま計画を進めようとする上関町に対し、隣接自治体の首長が苦情を伝えに上関町に直接来るという行動を起こすほどに、反発は強まっています。
町内でも原発反対派の住民はもちろんですが、賛成派の住民のなかからも中間貯蔵施設については反対するという声が大きく広がっています。その理由のひとつに「なぜ関西電力のゴミを上関に持ってこなければいけないのか」という疑問や反発があることは間違いありません。現在、中国電力は現地調査をストップしていますが、計画そのものをストップさせるために、今年もさまざまな形でご協力をお願いできればと思います。

 
「上関町中間貯蔵施設建設中止を求める署名」を12月末に合わせて提出しました。今回は各配送センターなどから3674筆もの署名が集まりました。ありがとうございました。
 上記の山戸 孝さんの報告にもあるようにわれわれが関西で使っている電気のゴミの処分場として、上関がやり玉に挙げられている状況です。自らの問題として考えていくためにどのように考え、発信していかなければならないか、今後も継続して考えていきたいと思います。             

(2023年 関西よつ葉連絡会)

 

 

 

 

編集委員からの一言

 

 

  1月21日からよつば農産は亀岡市篠町の新しい物流センターへ引っ越しします。現在駐車場を挟んでお隣にある安全食品流通センターと同じ建物になるので、これまで以上に密に情報交換ができると楽しみにしています。
事務所も同じフロアになるので、各社の境目をできるだけなくして、振り返れば顔が見えるようにしようと高さ1メートル程度の本棚を境目に置くことにしました。そして両社の会議用テーブルを持ち寄って、一緒に昼食がとれるように、行き来できるスペースも広くしています。
引っ越しに向けて、よつば農産職員の課題は書類をできるだけ少なくすること。とはいえ、これまでほとんどの業務を紙に書き、FAXでやり取りし、印刷した用紙を保管してきたので、業務の進め方をガラリと変えて、デジタル化しなければなりません。
現在、書類の山に埋まってしまいそうな私の机が移転後、どれだけスッキリするか、乞うご期待!

(よつば農産 上山美奈)