2024年12月号(164号)-1
研修部会 2024年の活動を振り返って
自分たちの活動の意義を再確認する
関西よつ葉連絡会には配送センターを中心に、食のことや社会問題など、職員が自分たちで学びたいことを持ち寄り、話し合って研修を運営している「研修部会」という集まりがあります。毎年、参加者には「やりたいことアンケート」を提出してもらい、それを中心に世話人で内容を練っていきます。よつ葉で扱っている商品のことだけでなく、社会状況について学ぶことは自分たちの活動の意義を再確認する上でも非常に大切なことだと思います。コロナ禍においては活動も縮小することになりましたが、今年はここ数年、実施できなかった産地を訪問しての研修もようやく再開しました。研修の運営を担った世話人からの報告です。
別院食品のおぼろ豆腐づくり体験
多くの職員に参加してもらえるように
研修部会長/奈良産直 松元信一
研修部会ではここ数年は司会などを担う部会長の候補者が出ず、不在のまま世話人数名で運営していましたが、忘年会のときに話し合いになり、熟考の末(お酒の勢いもあり?)私が部会長を引き受けることにしました。
私が引き受けるにあたって学ぶときはしっかり学び、ただそれだけでなく「楽しい部会にしたい」と思い、試食や交流会などを増やすようにしました。世話人で協力して企画を練ってくれているので、私にとっては楽しい部会になっています。今年は香害問題(化学物質過敏症)、イスラエル・パレスチナ問題、原発問題、ジェンダーやケアの思想など本やDVD、時には講師を招いて学んできました。またよつ葉の豆腐工場「別院食品」に来てもらい、みんなでおぼろ豆腐をつくり、試食をしながら豆腐のことや市販品との違いなども話してもらいました。
配達をする上でも大切なこと
また石川県の水産品などを扱っているタカショクの中尾さんを招いて交流会を行い、元日の震災の状況や商品の紹介などを聞き、魚のさばき方体験をしました。他にも日頃、配達をしながら感じた商品についての疑問をアンケートにして、商品企画担当者に答えてもらい、よつ葉の牛乳や卵を食べ、飲み比べしながら違いなどを話してもらいました。産地研修では「しまなみ耕作会」に伺い、みかんなどの収穫体験をし、「山名酒造」や「大徳醤油」にも伺いました。
私自身、入社当初はあまり興味がなかった研修部会ですが、何回か通うなかでためになったと思えるものが増えていっています。商品のことだけでなく社会状況を知ることは配達をする上でも非常に大切だと感じています。できるだけ多くの職員に参加してもらえるように、来年もなるべく参加しやすい会を目指していきたいと思っています。
自分たちの関わりを考えるきっかけに
大阪産直 松本和巳
「タカショク」の学習会にて
9月の研修部会では石川県の水産を中心とした特産物を取り扱うよつ葉の生産者「タカショク」の中尾さんに来ていただき、能登地震後の状況や業務の内容、仕入れている生産者などのお話と能登の魚を使ったさばき方教室の二部に分けての交流会をしました。
前半では今年、元日に発生した能登半島地震から半年以上がたっていますが、思っている以上に復興が進んでいないことや、被災地で暮らす人たちが置かれている現状など中尾さんからの説明を聞きました。私たち部会メンバー一人ひとりが自分たちの関わりを考えるきっかけになったのではと感じています。
後半には能登で水揚げされた新鮮なアジとメギスをみんなでさばいて「なめろう」と「メギスの団子汁(郷土料理)」をつくりました。さらに中尾さんが用意してくれた金沢の商品を食しながら交流会を行いました。どれもこれも本当においしかったです。皆さんのおかげで楽しい交流会になりました。
柑橘に対する信念を改めて感じた
淀川産直 稗田健彦
11月9日(土)~10(日)に産地研修で、広島県生口島の柑橘類の生産者「しまなみ耕作会」の能勢さんのところに行きました。主にみかんの収穫をしましたが、まず見た目から除草剤を使っている畑と能勢さんの管理する畑の土は明らかに違うことが分かります。
今年は元々、収穫量が少なめの年ですが、それにプラスして夏の異常な暑さで樹の上部の実がダメになったり、獣害もひどく「収穫量が例年になく少なくなりそう」とのことでした。実際、一緒に見にいった畑では7割もイノシシに食われている現状を目の当たりにしました。「苦労もするけれど買ってくれる会員さんがいるから頑張れる」と能勢さんが言っていたのが印象に残りました。
有機栽培がファッションのように扱われる風潮もあるなか、ホームセンターに行けば買える腐葉土を自分で手間をかけ、一からつくっています。「おいしく、人と自然の持続性を心底考えた本物の柑橘を栽培する」という信念を貫き通す姿を改めて感じることができ、また能勢さんを慕う仲間の方たちとも交流ができたのは僕のなかで大きな収穫となりました。
みかんの摘果体験
自分たちの活動の意義を再確認する