2024年5月号(157号)-4
子ども支援を一緒にしませんか
よつ葉クリーンサービス
遠藤春奈
「よつ葉のエアコンクリーニング、ハウスクリーニング」のクリーンサービスで受付を担当しています。いつも会員の皆さまの「ありがとう」に元気をいただいています。
若い頃、精神科単科の病院の関係団体で援助職を経験後、DV被害者支援、女性支援の団体に勤務しながら仲間を集めてシングルマザーや子育て支援をする民間の市民団体を立ち上げて活動していました。当時お世話になった方々の多くが偶然にもよつ葉が加盟している商工組合の組合員で、20年ぶりに再会するなどの不思議なご縁が嬉しくて、きっとこれからもずっとよつ葉にいます。 そんな私が2年後に再開する予定の活動は「面会交流支援」。あまり耳なじみのない言葉ですが、「離婚後に離れて暮らす別居親と子どもとが親子の交流をする時間」をサポートする仕事です。ほとんどが土日祝日や子どもの長期休みに行われます。
日本はずっと単独親権だったので、離婚になると子どもの親権や養育権の奪い合いが始まり、面会の回数を養育費の金額で交渉したり、面会交流のなかで子どもを通じて元パートナーをコントロールしたり…。条件つきの愛では子どもの心の安全は揺らぎます。2026年度までに共同親権も選べるように民法が改正される可能性があり、支援の必要な親子が増えるかもしれません。親の離婚で傷ついた子どもたちに子ども本人が望む形の親子関係を取り戻してもらうことを目標にします。ときには警察の介入を要請する面会もあり、親が病気や特性、成育歴の影響などにより子どもとうまく絆を紡げない場合も支援が必要です。性教育も不十分な日本では子育てを学ぶ場所もなく、ぶっつけ本番。迷走する親との関係性が子どもの将来の対人関係に大きく影響するというのに、子どもの成長は待ったなし。子ども支援を私と一緒にしませんか。 4月にクリーンサービスのスタッフで釜ヶ崎の子どもの居場所「こどもの里」のエアコンをボランティアでクリーニングしてきました。(右写真)子どもたちの遊び相手や、子ども食堂につくった料理を持ってきてくださるのも、とても助かるそうです。ぜひ、直接お問い合わせください。
(「NPO法人 こどもの里」 大阪市西成区萩乃茶屋2丁目3-24 Tel 06-6645-7778)
兼業農家を育てる②
里山技塾 伊藤雄大
伊藤さんの農地にて
「里山技塾」は「兼業農家を育てる」という趣旨で立ち上げた民間の農業塾です。各地に農業塾はありますが、大規模専業農家を育てるというものが多いです。ここに疑問を感じました。能勢町のような中山間地域では「兼業農家ならやってみたい」という人が多いはずなのに、そういう人たちが農業を始める受け皿やきっかけがなかったのです。農村は副業の宝庫です。それ一本で食べていこうとすると難しいけど、副業としてはちょうどよい、そんな季節労働がたくさん残っています。わが町にとって、そのひとつが栗。
能勢町は1750年頃に作出された栗品種「銀寄」(ぎんよせ)の発祥の地であり、小規模ながらも名の知れた産地です。町内には栗専業という人はほぼおらず、副業として栗山が守られてきました。しかし近年は担い手不足や獣害などの問題により生産量が激減しています。副業を副業のまま、現代に合ったかたちで産地を維持していけないだろうか。
そこで同じ思いを抱えていた地元の栗農家・西田彦次さんを講師に迎え、里山技塾の初めての講座「西田流 栗接ぎ木剪定術」が始まりました。
講座は月1回、年10回。実際の作業を大事にし、実物を触り、観察しながら学びます。栗園から見える風景や講師の人柄に惚れて、就農を決める人も多いです。初心者には難しい剪定や接ぎ木も、お手製の教材などを開発しながら、農業未経験者にも伝わるよう講座を進めています。現在、4期目。毎回、居住地も職業もさまざまな20名強の受講生が集まります。そのうち、およそ3割程度が兼業農家として能勢で就農し、合計約6haの栗山を開拓しています。これは町内の栗作付面積の3分の1に迫る数字です。
編集委員からの一言
花粉症はここ数年マシなのですが、4月に飛散した黄砂は最悪。息苦しいくらい鼻が詰まった状態が2、3日続いて、脳をはじめ、身体全体が酸素不足のような感覚でした。でも、黄砂自体は春に顕著なだけで随時飛散しており、ミネラルを含んでいて土地を肥やしたり海洋プランクトンの生育に寄与したりしているそうです。
花粉も黄砂も昔からこんなに症状を起こしていたとは思えません。花粉症は日本では戦後に初めて、公式に確認されたのですが、1960年代から急増して、今や国民の約半数にも上る人が発症。そこにはさまざまな化学物質が影響を与えていると思っています。
黄砂についても近年ではPM2・5とワンセット。そこで中国が悪者扱いされるのですが、高度成長期(ちょうど花粉症が急増する)の日本におけるPM2・5の濃度は、今の中国より圧倒的に高かったそうです。そして環境中の総量が圧倒的に増えたことで、化学物質による影響が即時に現れるようになったのが「化学物質過敏症」であり、花粉症のように数十年で激増する未来が待っているかもしれません。
(関西よつ葉連絡会事務局長 松原竜生)