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よつ葉ホームデリバリー

2024年4月号(156号)-2

 

受託製造のタケノコの袋詰め作業

 

二人三脚での商品づくり

 

■山香沖縄県嘉手納町)■

肉質が柔らかく、脂の甘みもある希少価値の高い豚、「島豚あぐー」を使った惣菜など、沖縄県嘉手納町で、沖縄の産品を生かした商品をつくっている。

 

 

 創業40年になる山香は食品の製造・卸しなどを行っています。商品は主に沖縄特産品で、油みそ・うにソース・ジーマーミ豆腐のタレ・もずく酢・もずく佃煮・アーサ佃煮・純黒糖蜜などがあり、極力添加物は使っていません。山香は自社製品以外にも受託製造も行っているのですが、小さな会社なので所有している機械も多くなく、何でもつくれるというわけではありません。依頼内容によっては製造できないものもあります。しかし、そんなときもできない理由を正直に伝えた上で「こういうやり方ならできるかもしれません」という形で提案しながら、何とか要望に応えられるように最大限の努力と工夫をしています。
 このように依頼主と寄り添った二人三脚での商品づくりをしているのですが、おかげさまで今では自社製造よりも受託製造が多くなっており「他社では断られたけど、山香が製造を受けてくれて助かった」という嬉しい声を何度もいただいております。受託製造のメインは大量生産なのですが、コロナ禍中に飲食店さんからの製造委託の相談が増えました。そういった飲食店さんは販売ルートを十分に持っておらず、100㎏~という製造ロットがさばけないという理由で商品化を諦める方が多かったのです。
 そこで、そういった方の力になれるように社内で何度も相談をしながら、条件つきではありますが、約40㎏から受託製造を受けられるように工夫し、今は約10社の商品をつくっております。正直、この量だと利益は少ないですし、初めての方がほとんどなので、1回の製造で終わってしまうこともありますが、新しいことにチャレンジしたいという方の力になれればと思い、続けています。製造以外でも商品のラベル貼りや箱詰め作業を就労支援施設に作業依頼し、微力ながら地域の雇用創出に貢献しています。

(山内大地)

 

 

 

 

垣花さん

 

400年の歴史の上に

 

■黒糖本舗 垣之花沖縄県浦添市)■

宮古島から西、さとうきび畑が一面に広がる多良間島。沖縄県の黒糖生産の40%を占めるこの島で、海、空、大地からのミネラルをたっぷり含んださとうきびから黒糖をつくっている。

 

 はじめまして。沖縄本島で黒糖を専門に扱っている㈱黒糖本舗 垣乃花です。沖縄の農作物といえばサトウキビといわれますが、そのサトウキビを栽培し煮詰めると黒糖ができます。沖縄の黒糖は非常に自然味のある味わいをしており、産地や採れる時期により色や香り、味わいも多様に変化します。
 その多様な味わいのなかでも特に多良間島産(宮古島と石垣島の中間にある島)のものにこだわっています。味はもちろんですが、創業から50年を経ても創業者の生まれ故郷である多良間島産の黒糖を今も大事にしています。サトウキビは沖縄の島々の経済を守る基幹産業で、その歴史は400年にもさかのぼります。そんなサトウキビを守るために、私たちは黒糖の付加価値を高めてきました。
 品質管理向上のため、加工黒糖業界で初めてISO22000を取得しました。今まで市場にない商品開発を積極的に行い、年間50万パック販売した「黒糖しょうがぱうだー」。開発に4年を要した、初めての水あめを使用しない黒糖シロップ「沖縄シロップ甘口」。製造が非常に難しい、フワッと食感の新たな加工黒糖「くちどけ生黒糖」など多岐に渡ります。少しでも皆さまへ黒糖の良さを伝え、味わうチャンスをつくっていきたいと考えています。
 私たちは、400年の沖縄黒糖の歴史の上におり、これからも歴史を紡いでいきます。そして、その過程でサトウキビのようにたくましく、黒糖の甘さのように優しい会社を目指します。

(垣花和秀)

 

 

 

 

ときどき、一筆

 

再び、故郷や夢、希望を奪わないために

語り部 新垣ゆき(沖縄物産企業連合)

 

 

第3期ちゅらうちなー

草の根平和貢献賞授賞式にて

 

 「今を戦前にしたくない」。先の大戦の生き証人たちは言う。80年前の記憶。歴史というにはまだまだ浅すぎる記憶。しかし今再び沖縄は揺れている。度重なる軍備強化のニュース。外国の軍隊が沖縄のアメリカ軍基地で訓練をしたというニュース。有事の際は離島住民を九州などへ避難させる計画。80年前も住民を九州などへ疎開させた。その際、対馬丸などの疎開船は撃沈され、多くの命が波に消えた。今の時代、船じゃないにせよ、また住民から故郷を奪うのか…。また沖縄を戦場にするのか…。生き証人たちは言う、「あの頃にそっくりだ」と。警鐘を鳴らし続ける。
 「ねぇ…また戦争がくるって本当?」。小学校での講話後に、子どもたちに聞かれた。「戦争のことを知っている人がいるうちは、同じことを繰り返さないと努力するはず。だけど、戦争の姿を忘れたとき、同じ間違いを繰り返す人が出てきてしまうかもね」。私の返答に、子どもたちは、「帰ったら、お父さんに話す」。「私は、ばぁちゃんに電話して教える」。戦争を知らない世代の大人に向けて、小さな先生が誕生した。「今を戦前にさせない。」
 再び同じ過ちを繰り返させたくないから、生き証人たちが命の限り伝えつづけたこと。その記憶を風化させなければ、同じ過ちは繰り返さないと思う。再び戦前の流れを思い出させる今、過去を振り返り、一人でも多くの人が小さな島を取り巻く現状を知ることが、平和を希求する国民の想いをつなぐことにつながると思う。だからこそ、ほんの少し昔のことと、我が国の今をしっかり比較しながら、見てほしい。知ってほしい。再び、子どもたちから故郷や夢、希望を奪わないために。

 

平和の祈り ~ウムイ(想い)繋ぐ

       ~プロジェクト始動 

 

悲惨な沖縄戦の実相を継承する拠点である平和関連施設(団体)への入館者が減少しており、運営状況が厳しい現状があります。そこで、沖縄物産企業連合では6月23日慰霊の日から8月15日終戦記念日に向けて、沖縄宝島を窓口として寄付金の受付を開始します。

 

【受付期間】・・・6月23日~8月15日まで

【受付方法】・・・⓵沖縄企業連合関連各店にて一口 1000円
     
          ⓶振込先:下記URLにて確認事項承認の上、
              指定の口座に振り込む(右下にQRコード)
 

⓷関連企業・団体の皆さまより振込で受付

 

 

*沖縄平和賞の他、沖縄県内平和施設・継承団体などへの寄付・奉納の予定

【問い合わせ】・・・heiwa-umui.pj@feenu.co.jp

 *「今週のお知らせ」「関西よつ葉連絡会」のHPなどで随時、
                       告知しますので、ご確認ください。