2025年1月号(165号)-3
新年挨拶と活動報告 「未来へのえがお」を
30年中間貯蔵施設地権者会 門馬好春
賀詞 私は東電福一原発「350ha」を取り囲んでいる中間貯蔵施設「1600ha」の地権者や支援者で2014年12月設立した「30年中間貯蔵施設地権者会」の代表を務めています。中間貯蔵施設とは2011年3月の原発事故後により拡散した放射性物質である福島県全域の放射能汚染土を1カ所で集中して保管する施設です。国はJESCO法(注)を改正して30年間と定め、県民にも約束していますので、その約束を守るよう会名に30年と初めに入れました。国・環境省にも継続してこの約束の厳守を求めています。また安全と安心や地域の復興、そしてルールを守った公平な用地補償を求めています。今年2025年3月で放射能汚染土搬入から10年ですので残りの期間はあと20年です。昨年12月にも浅尾環境大臣宛て要望書を第12回環境省説明会の場で提出しました。
また当会はいわき市湯本の古滝屋の「原子力災害考証館furusato」で里見館長のご支援のもと2年前からパネル展示、その後、フォトジャーナリスト豊田直巳さんの写真を追加展示しています。これは先祖伝来の土地を提供した地権者の思いなどを一人でも多くの皆さまに知っていただきたいという思いからです。
関西よつ葉連絡会さんとの出会いは「ロシナンテ社」の四方 哲さんを通してです。2023年10月14日「原子力災害考証館furusato」に来館したスタッフの皆さまに現状を説明しました。翌日もご一緒し大熊町で町会議員の木幡ますみさんから原発事故に翻弄(ほんろう)され続けている町民の実態の説明がありました。両日ともにスタッフの皆さまから多くの真剣な質問などをいただきました。両日は私にとってとても大切な出会いとなりました。
その後、毎月届けてもらう「よつばつうしん」を読ませていただき私のFacebookでも紹介しています。「よつばつうしん」の堅い手と手の握りと「つたえる つながる つくる つどう」はとても大切で、毎月の掲載内容も私自身の思い「未来へのえがお」ともつながります。汚染土の全国再利用は全国の問題であり、皆さんの問題です。これからも私自身「よつばつうしん」をお伝えできればと願っております。
(注)…中間貯蔵・環境安全事業株式会社法。JESCOは国の委託を受けて行う政府全額出資の特殊会社の名称。第3条に国は中間貯蔵開始後30年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるものとするとある。
能登便り-ともに生きる道を模索して①
NPO法人 CPAO 徳丸ゆき子
今年は能登に継続的に支援に入っているよつ葉との関連団体「認定NPO法人CPAO」と「認定NPO法人PARCIC」による連載を行います。連載は奇数月に交互に掲載されます。
能登半島の震災から1年がたちました。奥能登、私たちが関わる珠洲市ではようやく倒壊した家屋の解体工事は進み始めましたが、すでに「今年いっぱいかかる」とも言われています。いまだ半壊した家や水道の復旧していない避難所で暮らしている方々もおられます。昨年秋の豪雨による被害が追い打ちをかけ、住民の2/3、子どもの半数が市外へ避難、移住されたとのこと。残る住民の多くは高齢で、市全体が被災した状況では復旧・復興に必要な人手も支援も圧倒的に不足しています。
私たちは昨年3月、学童保育のサポートをきっかけに珠洲市での活動を開始しました。炊き出しも行い、多い日には400食を準備しました。しかし、人やサービスが減り、地震も頻発するなか、保護者は「ここで子どもを育てていいのだろうか」と不安に思う姿を目の当たりにしました。それでも、「慣れ親しんだここがいい」、「美しい自然や優しい人たちが好き」とこの地に住みつづけることを選んだ親子の力に少しでもなりたく、現在「子ども食堂」や「プレイパーク」を通じて、子どもや保護者が安心して集える場、地域の人々がつながるための場づくりに取り組んでいます。最近では「支援物資はもういらない」「人をだめにする」といった声も現地から聞こえてきます。自己責任論も語られ、人々の間に分断が生じるなか、今本当に必要なのは暮らしを支え合う関係づくり、人と人とのつながりではないかと考えています。
不安を抱える人々の問題は物資などの一時的な支援だけでは解決できず、決して被災地だけのものではありません。災害は全国いつどこで起こるか分からず、私たちが大阪で取り組む孤立する親子の支援とも地続きです。山積みとなったさまざまな社会問題を政治だけで解決することも難しい。珠洲市の美しい自然と人々の暮らしを未来につなげるため、私たちは「おいしい」「楽しい」を子どもたちに届けながら、ともに生きる道を模索していきたいと考えています。
珠洲神社で行われたキリコ祭
昨年、10月にご協力のお願いをした「豪雨被害に伴う能登拡大支援」は現金・ポイント利用合わせて12月までに3,867,804円集まりました。今回、集まった支援金は展開し始めている地域密着型の支援の強化に使わせていただきます。
編集委員からの一言
あけましておめでとうございます。
個人的には活字から遠ざかっていて、文字に触れる機会も少なくなっています。わが家でも子どもたちは動画からの情報が一般的でしたが、高校3年生の受験生は参考書や志望校の赤本などいろいろ本を積み上げて勉強しています。
個人の部屋がないため、子どもの勉強している姿を目にしますが、たまにスマホを見ているから勉強の動画かと思いきや、ゲーム実況の動画でした。小中学生の時にはかたくなに勉強を嫌がっていた勉強嫌いの彼からすれば、それでもかなりの変化です。結果がついてこないとやる気もなくなってきます。私が大学受験した時は浪人が当たり前でしたが、今は年内に推薦で決めてしまい、年明けは本命に集中というパターンのようです。
私も本を読もうと、デジタルの本を読むのですが、最近はスマホなので文字が小さくて途中で休憩、しばらくして再開、そして休憩となかなか読み進めないまま、途中で終わってしまう状況です。この年末年始は1冊読み切れるように息子を見習い、頑張りたいと思います。
(よつば農産 尾早 剛)