メニュー
閉じる

よつ葉ホームデリバリー

2025年5月号(169号)-4

 

 

無理なく続けられる

書損じハガキ回収キャンペーン   

 

 

認定NPO法人 ハンガー・フリー・ワールド

 

よつばの学校(真ん中がフランソワさん)

 

 

 

4月5日に関西よつ葉連絡会と認定NPO法人ハンガー・フリー・ワールド(以下、HFW)の共催で 〈よつばの学校・特別講座〉「~世界と日本の食のつながり、そして未来を考えよう~気候変動と暴力に立ち向かい、大地を耕すアフリカの人々」を実施しました。会場、オンライン合わせ112名の方にご参加いただき、本当にありがとうございました。HFWブルキナファソ支部事務局長のフランソワより、現地で起きている困難な状況、そしてそれでもなお前を向いて自らの手で農業の活性化に取り組んでいる住民グループの様子をお伝えいたしました。
 
私たちHFWは食料を直接支給する緊急支援の形ではなく、住民の自立を支援しています。栄養改善や収入創出などの支援を通して最終的には支援に頼ることなく、自らの力でずっと食べられる「支援からの卒業」を目指します。世界の飢餓状況に目を向けると、現在の傾向が続いた場合2030年には、飢餓人口の53%がアフリカに集中すると懸念されています。これは次の世代が直面するかもしれない未来です。だからこそ、いま私たちにできること、無理なく続けられることを一緒に取り組んでいきませんか。
 
ブルキナファソ・ガオンゴ郡では2025年4月より、住民たちが主体となり「みんなが食べられる地域づくり」を目指す5カ年計画を開始しました。住民たち自身が農作物の生産量減少の原因を調査し解決策を考え、農業生産向上のための活動を行います。
 
皆さんのご支援は種や農具の提供、栽培研修、栄養改善など各国の活動費として大切に使わせていただきます。HFWは募金の他に書損じハガキなどを集めて活動に役立てています。今年も4月第1週に専用封筒を配布させていただきましたので、ぜひご協力をお願いいたします。「知ること、関心を持つこと」は、誰もができる、無理なく続けられることの第一歩だと思います。そして、それは未来への支援につながります。

(下記「INFORMATION」に詳細)

 

 

 

 

能登だより

春の訪れ、珠洲市の今

 

 

認定NPO法人 CPAO

徳丸ゆき子

 

風が強く、寒さの厳しかった冬が終わり、ようやく珠洲市にも春がやってきました。市の花「椿」が満開、大阪より1〜2週間遅れて桜も開花し、新年度が始まっています。復旧の状況も遅々たる歩みですが進んでいます。幹線道路だけでなく、生活道路の補修も始まり、豪雨被害の大きかった地域でも夏には通行が可能になる見込みです。仮設住宅は3月に必要な数が完成し、すべての避難所が閉鎖されました。公費解体も5〜6割ほどが完了し、当初「年内」とされていた計画も、10月には完了予定とのこと。
 
私たちは月に2回のペースで珠洲を訪れていますが、そのたびに復旧の歩みを実感しています。しかし一方で、解体された跡地に広がる空き地を見ると、寂しさも募ります。新年度に合わせて転居される方々、転校する子どもたち、新入生のいない学校、災害対策本部の解散、そしてNPOなど民間支援の撤収…。少しずつ人が少なくなっていく現実に、不安も拭えません。活動に参加してくださる保護者の方々も、とてもお忙しそうです。子どもの進級・進学に必要なものをそろえるにも、市内にはお店が少なく、金沢まで出向く必要があったり、市内に高校は1校のみで、そこに進学できない子どもたちは市外で寮生活をすることになり、親子ともに不安を抱えています。また、倒壊した家の解体がようやく始まり、1年数カ月ぶりに家に入ったという方もいらっしゃいます。泥にまみれた家財道具を前に、「封印していたパンドラの箱が開いたようだ」と語られた姿には、決して喜びではなく、心の負担がにじんでいました。
 
そんななかでも、珠洲市の若い方々やお母さんたちは、自立した暮らしを目指し動きはじめています。調味料をつくろう、お米を育てよう、そして希望をつくろうと地域の人たちとつながりながら、力強く一歩を踏みだしている姿に、私たちはたくさんのことを教わっています。効率だけでは測れない、本当の豊かさとは何か。珠洲の地で、私たちも学びつづけています。そして、現地の方々の「自立したい」という想いを、できるかたちでサポートしながら、これからも活動を続けていきます。

地域の子どもたちと味噌づくり

 

編集委員からの一言

 

 

 新たなスタートを切る季節になり、よつば農産にも4月から2名の新入社員が加わりました。よつば農産は設立以来の大所帯の12名となり、50歳だった平均年齢は、少し若返って48歳になりました。
 
近年では働き方が変わり、新卒新入社員の3年以内の離職率は、高卒者が38・4%、大卒者34・9%と、短期間での離職が増えています。入社直後に転職サイトに登録する新社会人は、2011年から28倍に増えているそうです。そんな離職者をなんとか引き止めようと、企業側は対策を考えており、福利厚生のひとつとして3人目以降の出産に100万円を支給する企業や、フィットネスジムやヨガの会費を補助する企業もあるようです。他にも、不動産投資会社が新入社員に投資用資金10万円を支給したり、初任給を10万円アップする大企業があったりと、企業側は人材確保に苦闘しています。
 
よつば農産としては10万円の賃金アップは難しいので、生産者と消費者の架け橋役を担う仕事のなかで、「よつ葉でずっと働きつづけたい」と思えるような、やりがいや楽しさを感じてもらえるように力を注ぎたいと思っています。

(よつば農産 上山美奈)