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よつ葉ホームデリバリー

2025年6月号(170号)-2

 

 

令和の百姓一揆に参加して

 

■しらたかノラの会(山形県白鷹町)

2006年から活動を始めた農産加工グループ。できる限り農薬や化学肥料を使わずに農産物をつくり、それを原料に添加物を使わずに、地域でつくられてきた漬物や餅、オリジナルの惣菜や菓子など、さまざまな加工品をつくっている。

 


スタッフの皆さん
(右から2番目が新野さん)

 

 3月30日、東京都青山公園で行われた「令和の百姓一揆」に参加しました。首謀者はわが置賜(おきたま)百姓交流会のメンバーである菅野芳秀さんですから、首謀者を獄門はりつけにさせないためにも「行がんなねね」と仲間たちと上京しました。会場に着くともう、各県の旗やのぼりが翻り、人いきれでムンムン。それにトラクターが30台。主催者発表では4500人が結集したそうです。
 
トラクターの運転手が決意表明し、立憲民主党、共産党、れいわ新選組など約20名の国会議員が名乗りをあげ、賑々しい幕開けとなりました。山伏姿の知人の草島進一さん(山形県鶴岡市市議会議員で、ダム問題を中心に活動)の法螺貝(ほらがい)を合図に、まずトラクターが出発。その後を「農家に補償を」「農村を守ろう」「未来の子どもに国産を残そう」などとシュプレヒコールを挙げながら、1時間半練り歩きました。ビル街を満開の桜が彩っています。「なんとも東京はコンクリートの建物と人ばっかりだな」、なんていかにもお上りさんの感想ですね。いよいよ目的地の代々木公園が見えてきたとき、ふと43年前の初冬の情景がよみがえったのです。東京国際女子マラソンでここを走ったのでした。「最後のこの上り坂、きつかったな」、「沿道からたくさんの声援があったよな」などなど。この体力を活用して農業をしようなどとは微塵も考えていなかった頃のことです。
 
今回のデモは運動の始まり。これからが本番です。農政の転換を国に訴え、地域自給の大切さを人々に伝えたいと改めて強く思いました。生きとし生けるものが共生する地球を将来世代に手渡したい、これが私たち農民の一番の願いです。

(新野祐子)

 

 

農村集落の変化の歴史

 

■アグロス胡麻郷(京都府南丹市)■

 

アグロス胡麻郷は地場の4地区のひとつで京都府南丹市日吉町に事務所があります。所属している生産者は50名弱。よつ葉向けの野菜の出荷以外にも、地元の学校・病院などの給食・小売り用にも出荷している。

 

スタッフの皆さん

(左から3人目が橋本さん)

 

 

 関西よつ葉連絡会のなかに「よつば農産」が設立されて25年ほどたったでしょうか。地場野菜をよつ葉の取り扱いのひとつの柱として据えて、「地場と旬」をスローガンに目下の「摂丹百姓つなぎの会」が結成され北摂能勢、高槻、亀岡別院、アグロス胡麻郷の4地区が活動してきました。20数年前は4地区の近郊の中山間地の農村が兼業しながらしっかりと稲作を中心として生産力もありました。
1980年ごろから減反政策や農業の大規模化など、さまざまな問題を抱えながら当初から関わっていた生産者の皆さんも、20年を超える歳月にリタイアしています。後継が必ずしも円滑ではなく兼業で野菜づくりというのが当初想定されたより難しくなっており、生産力は落ちています。問題を多々抱えながらですが、国の農業人口減少への対策として入ってきた新規就農者の方々に支えられているといっても過言ではないと思います。
 
アグロス胡麻郷も同じように変化をしています。「集落の構造」の上にあったものが「個人」の上に組み立てられていく変化の歴史かとも思います。一方、合理主義のあおりからの退避場所はいよいよなくなりつつあります。「かくなる上は故郷に戻り百姓でもして暮らすか?」といった人生選択の対象としても、中山間地は住民人口の減少を中心に維持が困難になっています。アメリカとの貿易のなかで、車を売って輸入食料を食すのではなく地場・国産を食べて、より多くの人が暮らしていける食料の安全な質と安定供給を確保していくべきなのは疑いのないことと思う今日この頃です。目下、アグロス胡麻郷は集荷場を移設・充実させたり、来期に向けて諸般の見直しと代表交代を進めています。

(橋本 昭)
 
 

   

 

 

ちょっと寄ってみ。

 

 

日本の食の常識と農業の在り方を変える!

 

食育農園にて

(右から3番目、赤ちゃんを

抱いているのが小笹さん)

 

NPO法人ゆめプロ

 

 こんにちは! 「NPO法人ゆめプロ」の小笹霞です。私たちは「オール市民参加型の給食革命」をテーマに、休耕地を畑に再生し自然栽培で育てた作物を子どもたちの給食に届ける活動を行っています。拠点は大阪・八尾市をはじめ、奈良県葛城市、和歌山県すさみ町など全国に広がっています。きっかけは祖母の認知症でした。医療の在り方に疑問を持ち、いろいろ調べるなかで、「食の大切さ」に行きつきました。
 
そしてわが子が1歳で保育園に入り、そこで見た初めての給食に衝撃を受けたのです。海外産の小麦、添加物が多用されたパンと、化学調味料で味付けされた給食を1歳児が毎日食べていたんです。それを見て「給食変えたい!」と立ち上がりました。
現在の活動は以下の3点です。
 

①自然栽培の田畑で作物を育て、給食センターに直送

 

②お米・野菜・お豆でつくる和のパン「ほっとまるちゃん 豆っとベジもっちー」製造販売 ※「よつばこ」で取り扱ってもらっています。

 

③家から職場からどこからでも参加できる! 皆で種をつなぐ「種育てプロジェクト」では、プランターで野菜を育て、種採りをしてもらい、農家支援と食料自給率をアップするプロジェクト

 
ぜひInstagramもチェックしてください。
 
\イベント情報/ 
 
7月13日(日)にオーガニックマルシェと映画『夢みる給食』上映会と食の専門家レムケなつこさんの講演会を開催します。奈良の給食をオーガニックに変える挑戦のひとつです。ぜひお越しください。
10:00~13:00
かつらぎ恵み市(葛城市新庄屋敷山公園内)
13:30~17:00
『夢見る給食』上映会&講演会
(葛城市新庄マルベリーホール)
(前売券1,100円/当日券1,500円/高校生以下無料)
 

(東大阪会員 小笹 霞)
 

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