2025年6月号(170号)-4
放射性廃棄物の最終処分場
説明会に参加しました!
関西よつ葉連絡会事務局 矢板 進
6月28日(土)に原子力発電環境整備機構(以下、NUMO)の「高レベル放射性廃棄物の最終処分場に関する対話型全国説明会」が京都であったので行ってきました。NUMOによれば、最終処分の候補地として京都が挙がっているということではなくて、高レベル放射性廃棄物の最終処分についての認識を高めるために、このような説明会を全国的に展開しているという話でした。
当日は80人の参加申し込みがあり、NUMO側も予想以上の参加者ということで、4つの部屋に分かれて行われました。最初の1時間は映像を観ながら、高レベル放射性廃棄物の特徴や地層処分についての説明があり、後半は6人ぐらいの班に分かれて質疑応答というかたちになりました。最終処分の候補としては宇宙処分・海洋投棄・氷床処分・地層処分があり、なかでも地層処分が一番安全性が高いと地層処分の説明が中心でした
地層処分となるとやはり心配なのは地震です。資料のマップには活断層を避けたところを立地候補にしているという説明がありましたが、断層がいつ活断層になるか、また地震の影響で断層の動きの範囲が予想以上に拡がるという可能性もあります。そのことはぼくの方から質問しました。NUMO側の回答としては「完全に安全ということはありえないと考えています。データなどさまざまな研究成果を駆使して、より安全な候補地を検討していくということしか、できない」という説明でした。それに関して、「福島事故の安全神話というのは本当にわれわれの認識の甘さだったと反省している」という言葉もありました。印象としては非常に丁寧に説明をしようとしている姿勢は伝わってきましたが、「多額な補助金が地域に分断を招いている」という意見には「分断を招かないよう説明を尽くしていく」と曖昧な回答しかしませんでした。
地震の危険性については聞いた説明では到底、納得できるようなものではありませんでした。NUMOは最終処分場が決まったら解散するそうで、解散してしまっては責任の所在がうやむやになってしまいます。そもそも再処理工場は破綻しているので、高レベル放射性廃棄物は切迫していない、という話もあります。現在、中間貯蔵施設などに溜まっている使用済み核燃料は再処理待ちで、保存されています。その一見、丁寧な姿勢の奥には隠していることがあるようで、そこは鵜呑みにするのではなく、こちらも準備して注意深く学んでおかなければならないように思います。
能勢里山愛好会発足
育林放牧に伴った
山林整備研修
北摂ワーカーズ/大阪産直
山本晋一郎
能勢農場主催の山林整備研修でスタッフをしている山本晋一郎 です。能勢里山愛好会はまだ発足して間もない組織ですが、所属メンバーの方々とは、もう4~5年のお付き合いになる方もいます。発足前のこの活動の起こりについてさかのぼると、当時(2020年ごろ)能勢農場の宿舎・牛舎を山の木々が圧迫している状況がありました。特に台風の際に危険を伴う樹木を整備する必要があり、そこで山師である森田さん(現在研修の講師を務める)に声がかかりました。農場周辺の危険木を整備するなかで、隣接した山の持ち主である中井さんが栗を主体にした里山の再生を模索していることが分かり、かねてからあかうしの育林放牧に伴って必要となる山林整備技術の習得を目指していた能勢農場と互いに協力して伐採作業を進めることになりました。この取り組みが原型になり、現在の山林整備研修へと発展、能勢里山愛好会発足という流れです。元々はよつ葉職員向けに始まった研修ではありましたが、メンバーを通じて地域の方に来ていただくこともあるので、内部に留まらず、能勢周辺地域での伐採技術の普及に貢献できればとも考えています。
中心メンバーのなかには能勢農場だけでなく、農業者や熊森協会の活動をしている方、私自身はよつ葉の配送や植木仕事といったように、さまざまな立場や視点を持つバラエティに富んだ構成となっています。研修は基本的に月1 回、第一土曜日の開催ですが、毎回違った話題や学び・ 気づきがあり、話した内容を反芻しながらいつも帰り道を走っている気がします。今後はさらに地域で共同管理されている区画の伐採を進める予定になっていて、講(山の共同所有者) の方々の意向を最大限汲めるよう、話し合いを重ねながら丁寧に作業に当たろうとしています。また、研修に初めて参加される方についてもできる限り置き去りにせず、研修として充実させるべく頑張っていますので、興味のある方は普段できない体験をしに、ぜひいらしてください。
編集委員からの一言
関西では観測史上初めて6月中に梅雨明けとなりました。昔は梅雨入り、梅雨明けは一度発表されると変わることはありませんでしたが、9月頃に「確定値」として正式な梅雨明けが発表されます。2022年は今年と同じ6月下旬で梅雨明けが発表されましたが、7月中に雨の時期が続き、結局梅雨明けは7月下旬となりました。今年は雨が続く感じではないので、おそらくこのまま確定するでしょう。
今年18日間の梅雨の期間中に降った雨はかなり少なかったように思います。実際に各産地の生産者と話をしていると「雨が少なくて大きくならない」という話もチラホラ聞きます。また陽射しが強すぎて、南瓜の表面が焼けて色が変わってしまうことも起こっています。焼けとは単に色が変わるのではなく、ダメージを受けているので、その部分から傷みだします。根菜などは雨の後などに急に気温が上がると土の中で煮えたようになって、傷んでしまうこともあります。
各地の生産者もこの異常気象に対応しようと対策を講じていますが、正直、天候の変化スピードに追いついていないのが現状。そらそうですよね、栽培に時間のかかる作物だと、結果が出たころには天候がまた変わってしまっているのだから…。
(よつば農産 尾早 剛)