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よつ葉ホームデリバリー

2026年3月号(181号)-2

 

 

生態系にやさしい農業

 

 

■新庄最上有機農業者協会(山形県最上郡鮭川村)

 消費者と農家で大豆の収穫を分かち合う、大豆畑トラスト運動をリードし、「最上の清浄な水と豊かな大地を守り、安全で安心な食べ物を提供すること」をモットーに、完全無化学肥料・無農薬で栽培した大豆を納豆、醤油、味噌などに加工している。

 

納豆工房まめむすめの皆さん

 

3人の主婦が遺伝子組み換え農産物に不安を抱き、日本消費者連盟に呼び掛けて「遺伝子組み換え農産物いらないキャンペーン」が始まりました。その一環として、1999年大豆畑トラスト全国集会が、ここ山形県新庄市で開かれました。そのトラスト運動を柱に会社は設立されました。しかし、翌年の11月上旬の初雪とその後の43センチの大雪で収穫前の大豆が全滅となったため、商品の製造ができず、トラスト会員が半減するなど、苦難の出発となりました。
 
トラスト配当の味噌・醤油は、県内天然醸造の蔵元に原料を提供し、味噌は10カ月、醤油は2年の熟成を経て会員に提供されますが、現在は味噌の消費が落ち込み、醤油のみの製造となっています。 そんななか、70aの借地から始まった農地は10㏊を超え、借地を合わせると16㏊となりました。大豆が主で他に菜種(油)、ハト麦(ハト麦茶・皮なしハト麦)、小麦、ライ麦、変わったところではヨモギを近隣農家と一緒に栽培し、県内食品製造会社に昨年は10tほど出荷しました。
 
食品製造会社は全国の和菓子屋さんに販売しています。ヨモギは農家からは1㎏100円で引き取り、村内の施設と農福連携も始まっています。今年の大豆栽培面積は約6haです。緑化資材でマルチをし、小畝立て同時播種で化石燃料や労働時間を減らし、一歩でも生態系にやさしい農業を目指します。
 
また、日本で一番小さな納豆屋さんも経営しています。農薬・化学肥料を使わない自社栽培の大豆を原料に、創業10年を迎えた「納豆工房豆むすめ」です。毎週、取り扱っていただいているのが大きな励みです。今後も安心な納豆をお届けします。ぜひご利用ください。  (長田邦彦)

 

 

 

自然の摂理に従って生きる

 

 

■エヌ・ハーベスト(東京都杉並区)

環境に配慮してつくられた食品や雑貨などの普及と、エコロジーに対する新たな視点の提案を目標に2009年設立。よりよい自然環境を次世代に引き継ぐために、有機農業を実践する生産者と消費者の架け橋になることを目指している。


 

 

 

  ひと口食べるだけで、世界の香りや味わいを旅できる…。そんなスパイスや紅茶、ドライフルーツを、私たちエヌ・ハーベストはお届けしています。 どの食材も、生産者の想いと自然の力がぎゅっと詰まっていて、産地ごとの伝統的な農法が今も大切に守られています。スパイスは料理の印象を大きく変えますが、その背景まではなかなか伝わりません。だからこそ、私たちはその価値をしっかりお伝えすることを大事にしています。
 
私は学生のころ、バックパッカーとしてインドやパキスタンを旅しました。現地の暮らしや食に触れて大きく感動したのを今でも覚えています。そうした経験が今の仕事の原点になっています。それ以来、各地の農園を訪ね、生産者が自然と向き合いながら作物を育てる姿や、地域ごとの栽培方法、暮らしのなかでの食材の使い方を学んできました。生産地ではガスや電気を自給していたり、持続可能で慎ましい生活をされていたりと、毎回新しい発見があり、私たちが学ぶべきことがたくさんあります。
 
そこで学んだスパイスや食材の使い方は、料理教室でシェアしながら、日々の食卓でも楽しんでいただけるよう工夫しています。あるインドの生産者から、オーガニックであることは、自然の摂理に従って生きることが何より大切だ」と教わったことがあります。その言葉に心を打たれました。オーガニックはただの栽培方法ではなく、人と自然の関係を大切にする生き方そのものだと、改めて感じました。こうして学んだことや感じたことを分かち合えるのも私たちの喜びです。背景にある文化や想いを感じながら、スパイスや紅茶、ドライフルーツを楽しんでいただけたらうれしいです。

(鈴木 裕)


 

 

 

ちょっと寄ってみ。

 

3.11 福島原発事故を悼むキャンドルナイト

 

原発問題を考える女性ネットワーク/

近江産直会員  木谷千加子

 

井戸謙一さんと青田さんの作品(左)

 

 

 

 
 3月11日で福島原発事故から15年が過ぎた。当時発令された「原子力緊急事態宣言」はいまだに解除されていない。政府は20倍もの放射線量の基準を福島県だけに適応し、帰還政策を進めている。多くの犠牲者や避難で根こそぎ生活を奪われた方々に心を寄せ「事故は終わっていない」という現状を共有するキャンドルナイトの集いをやると決め場所探しに奔走したが、市内の公園は10,700円もの使用料がかかる。公民館は原発関連の集いというだけでNO。
 
諦めかけたが、一方で原発関連裁判の敗訴が続く現状がある。特に12月25日の「若狭原発7機の運転差し止め裁判」の判決はひどいものだった。12年間43回もの審理をへて当日、関わってきた裁判長の姿はなく、初対面の裁判官の代読で「原告らの請求をすべて棄却する」と一言。6秒だった。判決理由もない。避難者らは「私たちの15年間は何だったのか」と記者会見で泣かれていた。
 
キャンドルナイトをやらなければと再度決心した。「原発問題を考える女性ネットワーク」のメンバーで〈原発いらんねんお喋りウオーク〉の主催者であるTさんが、空いている元文具店を提供してくださった。
 
「女性ネットワーク」は〈学習と交流〉をベースに立ちあげた会で、知を力に各自が〈安定ヨウ素剤〉配布の取り組みや情報発信をしている。南相馬から滋賀県に避難して来られて事故への怒り、悲しみ、苦しみ、故郷への想いを布絵で表現されている青田さんの作品を会場に展示させてもらった。作品は見る人の胸に迫る。青田さんは「福島に残るも、避難するも地獄。避難者は1年ごとに苦しみが重なるだけなのよ」と言われる。当日は43人の参加で朝日、中日新聞の2社が取材に来られた。3.11子ども甲状腺がん裁判」の井戸弁護士は「原告青年たちは〈福島の復興に水を差す、風評加害者〉と白い目で見られるから名を公表できない。被ばくした福島の人を社会が差別し、福島ではがんでない人ががんの人を差別する。複雑な構造だ」と仰っていた。胸が痛んだ。この現状を多くの人に知ってもらいたいし、決して第2のフクシマを作ってはならないと思いを新たにした。